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Tree planting
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Agriculture
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For schools
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最不適の土地を最適の土地に変える試み
Challenge: from the least suited land to the best.
見捨てられた地、チャコ
従来パラグアイ北部のチャコ地方は、穀類や野菜類の栽培に適さない土地として、人口の過疎地帯でした。わずかにドイツやカナダなどから集団で移民して来たメノニータ(メノナイトキリスト教徒)たちが牧畜と酪農を勤勉かつ組織的に営んで成功している程度です。土地は粘土質で、乾季には岩のように硬く固まり、人工的に潅水しない限り、一切の植物は種子だけを残して枯れてしまいます。 一方、雨季には植物の急速な成長が見られますが、土が深くまでぬかるみ、トラクターやトラックのような機械力を用いた作業は、きわめて困難になります。
レダ農場では、1999年以来、農業試験場において稲、野菜、果樹の栽培研究を重ねてきました。牛や羊などの家畜の侵入を防ぐための 柵を張り巡らし、寒冷紗を導入し、堆肥場を設けました。しかし、野鳥による旺盛な食害、虫害、願わざる植物の繁茂など、凄まじいばかりのパンタナールの生命力は、私たちが活用するよりも、逆に圧倒されることが普通でした。
まずは、川の支流から小型ポンプで水を引く設備など、インフラ面の準備に加え、現地の環境に適した品種の選定、栽培法、調理法などの研究を進めてきました。地元コミュニティーへの普及を念頭においているので、無農薬栽培を基本とします。肥料も堆肥、緑肥などの有機物に限定し、枯れ草やホテイアオイによるマルチを多用するなど、現地調達の可能な資源を活用して最大限の効果を挙げることをめざしています。
タロイモ栽培で、増産への新手法
タロイモの根茎は、順調に育つと直径20~30cm程に肥大し、豊富な各種の栄養分を含有し、食料としても、飼料としても大変に有用な作物です。レダ基地においては、パクー養殖と養豚にもタロイモを余すところなく利用できることから、増産に向けた手法を研究して来ました。
当初は畑地で栽培しましたが、チャコ地方特有の塩分を多く含んだ粘土質の土壌では栽培が困難で、どうしたらこの問題を克服できるか、さまざまに試行錯誤する中で、水耕栽培をすることになりました。水耕栽培は、雑草が育ちにくい、害虫による被害が少ないなどの利点があります。しかしある時期、大型のタニシが一斉に大繁殖して茎を食害してしまいました。
この難問に対して、現地に自生する小型の浮き草で水面を覆うことを試みました。すると、ハダニのような害虫が、浮き草に集中することで、おとり作物の効果を発揮し、タロイモが守られることが分かりました。また直射日光が水中に入らのを防ぐので、40℃を超える気温にも拘らず、水温が安定し、水の蒸発も防ぎ、タニシの繁殖も防ぐという、マルチングと同様の効果がありました。芋のサイズも畑作とほとんど変わらない大きさに成長しています。
![]() タロイモの掘り出し 7月18日 |
![]() 皮をむいたタロイモ 7月18日 |
稲作はできるが、収穫は...
稲作については、乾季でも水さえ確保できれば、最低限の土壌改良を施すことにより、年間3期作まで可能であることが実証できました。これは、この土地が大きな人口を支えうる可能性を示すものです。現在の課題は、稲穂を執拗に食害する黒い小鳥(ミゾバシクロムクドリモドキ)と緑のインコ(オキナインコ、クロガミインコ他)の大群にどう対処するかです。
![]() 雨季の初めが田植えに最適 10月12日 |
![]() 順調に育つイネ 11月14日 |
![]() そろそろ鳥たちが狙い始めます 1月6日 |
![]() 実れる田の面 1月24日(ここは南半球です) |
土壌改良さまざまに
土壌改良は、誰にでもできる方法を開発するために、まず雑草を刈り集め、牛と羊の糞を拾い、堆肥場で混ぜて発酵させることから始めました。次に、パラグアイ川上流から無尽蔵に流れてくる大型のホテイアオイを大量に集め、堆肥作り、緑肥、マルチングに活用し、極めて好結果を得ました。ニュース2007年8月号参照
この地域に無数に自生しているシロロウヤシは、建材にも不適な厄介者でしたが、これを炭に焼くと優れた土壌改良剤になりました。炭を土に鋤き込むと、あらゆる作物が強健に育ちます。またこの炭を人工の浮島に詰めて、水耕栽培の研究もしています。
パラグアイ川は渇水期に入り江が干上がるのですが、その底土を客土する試みも行われ、土の輸送手段さえ得られれば、あらゆる作物にとって好結果が出ることが分かりました。
![]() ホテイアオイを細かく切り刻む作業 |
![]() 痩せた土地にホテイアオイを施す |
![]() ホテイアオイから優れた堆肥が |
![]() 無尽蔵のヤシの木で炭を焼きます |
![]() ヤシの炭は空隙が多く崩れやすい |
![]() 人工の浮島で水耕栽培の研究 |
野菜の自給に向けて
野菜では、カボチャ、スイカ、メロン、キュウリなどのウリ類、ナス、ピーマン、トマトなどのナス科の果実、および
マンジョカ芋が比較的作りやすく、土壌改良と寒冷紗を併用すれば根菜類や軟弱野菜も十分にできることが分かりました。
暑い日のスイカやメロンは、どんな人にも喜ばれます。またチンゲンサイやキャベツのような青々とした葉菜類の栽培は、
インディヘナたちの食の好みの変化までもたらす画期的なものです。インディヘナのコミュニティでも、各軒に数坪の家庭菜園が見られるようになって来ました。
![]() カボチャの収穫 7月1日 |
![]() カボチャの中身 7月4日 |
![]() ズッキーニの花 7月15日 |
![]() 自根スイカ 1月16日 |
![]() ジューシーなメロン 1月16日 |
![]() 曲がったキュウリもOK 9月17日 |
![]() トウガラシ 9月17日 |
![]() ぷーんと香るトマト 7月20日 |
![]() ピーマンの収穫 7月20日 |
![]() つるありインゲン 5月23日 |
![]() インゲンの収穫 6月13日 |
![]() エダマメ 9月27日 |
![]() 虫食いキャベツは美味 7月27日 |
![]() 食べ切れなかったレタス 7月17日 |
![]() パクチョイに似た葉菜 7月15日 |
![]() 繁殖力旺盛なイチゴ 9月17日 |
![]() ネギは日向で作ります 6月27日 |
![]() オランダミツバでカツ丼 7月15日 |
![]() 花もきれいなオクラ 1月16日 |
![]() ヘチマは束子にしました 2月13日 |
![]() ゴマの花 1月16日 |
楽しみな果樹
果樹では、パパイヤ、マンゴー、柑橘類の成長がよく、鳥や虫の害も問題になるほどではありません。グァバ、アセローラなど、収穫期の長い果樹も重宝です。従来地元の環境に適さないとされて来た、アボカドについても実験栽培を試みています。これらの果樹は、森林農業への応用に成功すれば、「環境」と「経済」が両立し、パラグアイでも最も経済的に貧しいチャコ地方を、南米で最も豊穣な地へと変えることも可能になります。
![]() オレンジの花 7月20日 |
![]() まだ固いグァバの果実 7月11日 |
![]() アセローラの果実 1月6日 |
![]() シトロンの果実 7月1日 |
![]() グァバとアセローラ 3月11日 |
![]() マンゴーの収穫 12月9日 |
![]() お正月は旬のぶどうを 12月13日 |
![]() 大型のマンゴーの果実 11月15日 |
![]() さらに大型のマンゴー 10月31日 |
![]() イチジクの果実 1月11日 |
![]() パパイヤの果実 7月15日 |
![]() パッションフルーツ 2月2日 |
その他、土地に合う植物
![]() パフィア・パニクラータの根 11月29日 |
![]() パラグアイ原産種のステビア 1月6日 |
![]() ワタもよくできます 7月15日 |
氾濫原の利用
パンタナールでは、豊水季に水没する土地があります。腐植土の堆積により、土壌は比較的肥えています。減水季と雨季がほぼ一致する地域においては、その減水季にここで農作の可能性があります。ただし、雑草もすさまじい勢いで生長する環境となるので、どのような農法で、どのような作物が栽培、収穫できるか、今後の研究が必要です。レダ農場で天作農法を試したところ、大きなカボチャがたくさん収穫できました。⇒ニュース 2010年5月号参照
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